挑戦者

キックボクサーの立嶋篤史 様が凄い。

数日前、気分転換も兼ねて本屋の探索をしていたところ、一冊の漫画本のタイトルに目を奪われる。

「ざまあみろ!」のタイトルで新刊のコーナーに置かれた本が気になったのだ。

この「ざまあみろ!」というフレーズで 思い出すのは尊敬するキックボクサー、立島篤史の自伝本だな、と思っていたら 立嶋本人も登場する話らしい。(監修もしてた。)

この「ざまあみろ!」という漫画についてだが、話自体はそう珍しいものではなく、いじめられっ子がキックボクシングを通じて強くなる、といった昔からよくある話だ。

それでも話の中心に立嶋本人が出る、というだけでファンには最高なのだ。(もちろん、話自体はフィクションである。)

ここで立嶋篤史という男はどういった人なのか?知らない人の為に軽く説明しておきたい。

キックボクシングの元全日本フェザー級チャンピオン。

 1990年代は「立嶋ブーム」を巻き起こした、カリスマ的存在。

 中学生のころまで壮絶ないじめを受けており、キックを通じて自分の道を切り開いた男。

 中学卒業と同時に単身タイに渡り、本場のムエタイを修行。

 帰国して17歳で高校を受験し、日本でデビューする。

 高校生生活しながらキックで活躍していたことから地上最強の高校生といわれる。

 現在53歳で現役。

うん、まるで映画かドラマ。そんな男である。

80年代、自分が中学生の頃は格闘技や武道といったものはいわゆる「サブカル」的な扱いであった。

競技人口が多いと言われている「空手」「ボクシング」ですら身近なものとは言えなかった。(北関東の田舎の話で都会になったりするとジムや道場があるので一概にはいえないと思うけど。)

自分の周辺で、格闘技を見る人間がまずいなかった。

経験上、この時代から格闘技に詳しい人間はまず「オタク」と言われる人が基本的に多い。

自分もいわゆるオタクだとは思う。

それが90年代頃になると話は変わってくる。

「K-1」の登場だ。

華やかで芸能人、タレントをゲストに招き入れ、賞金も豪華になり、テレビやマスコミが連日放送する。ひと昔前では考えられない事だ。

K-1の登場と前では格闘技の知名度がとにかく違う。

時を同じくプロレスにもこのあたりから変化があって、俗にいうリングス、パンクラス、Uインターなんかも出てきて、格闘技そのものが変わっていくのだが、それはまた別の話。

時代はK-1全盛期、そんな時代に逆らうかごとく一人の男、それが立嶋篤史なのだ。

そもそもK-1はキックボクシングとはルール違うし、全くの別物なのだ。

打撃系の格闘技のルールを検討し、出来上がった全くの別物。例えば肘打ちの有り、無しとか、組合うのは数秒まで、とか。

立嶋の所属する全日本キック連盟から参戦するような選手もいたけど、立嶋は頑なにこれを拒否。

本人曰く、

 空手家がトランクス履いてキックの真似事してる

そう言って小馬鹿にして笑う。

自分はキックボクサーだ。キックボクシングしかやらない、と断言。

やがて全日本キックは倒産し、キックボクシングは徐々に勢いをなくしていき、世間からはK-1とキックの違いなど気にもしなくなり、K-1だけが残る。(その後の総合ブームでK-1も存続のピンチになるが)

だいぶ端折ったけど、当時の格闘技の流れはそんな感じだった。

個人的な思い出だが、当時K-1がまだ始まったばかりの頃、教室で格闘技雑誌を読んでたら、クラスメイトが

 キック?ボクシング?最強は喧嘩でしょ!

などと聞いてるこっちが恥ずかしくなる持論を、ぶちまけてきた高校デビューのヒョロガリヤンキーがいた。

普段ならそんな事など忘れてしまうのだが、数年後にK-1全盛の時代に会ったら

 アンディ・フグが最強っしょ!

などとほざいていて腹立たしく思ったのを今でも覚えている。

まあ、立嶋は時代だろうがブームだろうが挑戦し続ける男だと思ってもらえればそれで良い。

少し前に「クレイジージャーニー」で立嶋の特集をしたのだが、当時ファンだった自分でも「まだ現役かよ!」と、驚いた。

特集する雑誌は全部買い、試合のビデオ(時代を感じる)もできるだけ買い、自伝本もちゃんと2冊買ったファンではあったけど、現在はインディー団体が主催する試合のため、情報が少なすぎるのだ。(言い訳であるとは思う)

なんでも、近々ドキュメンタリー映画もやるらしい。

立嶋篤史53歳現役。

自分も頑張ろう。

今日のブログ、オチが無いね。

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